祖母の弟で叔父が亡くなったとの報せを受ける。
田舎では友引でもはさまない限り、
亡くなった翌々日に火葬と葬儀が行われる。
叔父も葬儀社の安置室に置かれていた。
蓋は少しずらされ、顔に触れることもできた。
係の人はお参りが済んだら内線電話で連絡してくださいと
去っていったのでゆっくりお参りする。
お経を読んで、回向して、御詠歌をお唱えして、顔をなでてきた。
叔父は私が大学に入学したときに保証人になってくれて、
ときどき遊びに行くと寿司をおごってくれたりした。
また寮から引越ししたときは車に乗って手伝ってくれた。
ずいぶん可愛がってもらったものだ。
晩年は経済面・健康面で苦しい生活となったが、
「ボクはサンデー毎日(毎日が日曜)だよ」と
明るい冗談で出迎え、お店をやっている頃に首に巻いていたというバンダナをくれた。
「これを巻くと、一日頑張ろうって元気が出るんだよね」と。
そんな思い出に浸りながら、冷たい額に触れて観世音菩薩を念ずる。
お経を読む前に見た顔は険しい感じがしたが、お経を読んでからよく見たら、
叔父は気のせいか微笑んでいた。
「おじさん、またどこかで会いましょうね。おばあちゃんには、
よく伝えておきますから」と声をかけて退出。
帰り道、微笑んでいる大叔父の顔を思い出し、
こんな若輩者のお経でも喜んでくれたのかな…
と思うと急に涙がこみ上げてきた。
死は易く、生は難し…。